IRONMAN70.3 JAPAN、決戦の日曜日がやってきました。東横インではなんと朝4時から朝食バイキングのサービス。これはありがたい!戦いを控えたトライアスリートの皆さんは早朝なのに食欲旺盛です。ちなみにホテル併設のコンビニエンスストアも異様なまでに大量のミネラルウォーターを準備して、決して売り切れさせまいと気合いを見せています。ホテル中がアイアンマン70.3をバックアップしてくれている感じですね。ホントにありがたいです。心配していたチェックアウトの渋滞も無く、スピーディーに新舞子マリンパークへと向かうシャトルバスへと乗り込むことができました。
朝方の天気は曇り。ちょっと肌寒いぐらいで、心配していた風もありません。つまりは海も穏やかってことですね。絶好のコンディションです。
バイクのセットアップとスイム>バイクのトランジットバッグをラックにセットするのが、選手達が当日の朝に最初に済ませる作業になります。あとはナンバリングとトイレですかね。会場は新舞子マリンパークの中央部を通行止めにして、おおきなCの字を作るようにして使用されています。なんで、スイム会場からバイクラック、スタートが非常に遠い作りになっています。考えて効率よく動かないと、かなり長い距離を行ったり来たりする羽目になっちゃいます。
トランジットバッグの並べ方もアイアンマン方式で、ラックはゼッケンの下一桁ごとに用意されています。それぞれのラックに今度は下一桁を除いた番号順にバッグが吊り下げて並べられていくわけです。馴染まない並び方なんで、スイムアップ後に戸惑っちゃいそうですね。加えておんなじ色形のバッグがずらりと並ぶことになるんで、尚更自分のバッグを見つけるのが大変そう。これは先輩トライアスリートの池田さんに聞いた話ですが、トランジションバッグの結び口からわざとタオルとかをはみ出させておくと目印になっていいそうです。なるほど今回のバッグはオレンジ色なので、一面オレンジの中で別の色のものがちらりと出ているととても発見しやすいです。あと、結びヒモの巻き方を工夫して、バッグがつり下がる位置が高くなるようにして判別しやすくしている人も見受けられましたね。
あとはメガネです。私はメガネかけてませんが、スイムの間のメガネの管理はかけている人にとっては重要な問題です。今回のレースでは一応メガネ置き場のトレーがスイムゴールの所に用意されていましたが、広いスペースではなく、区分けもしていないようだったので、取り違えを恐れて利用する人は少なかったみたいですね。バイクのトランジットバッグに入れていた人が多いようなので、すぐに取り出せてちゃんと保護できるケースを用意した方がいいかもしれません。
この辺の大会になると本当にビギナーという人はあんまりいないと思うので、会場を歩いていても、あまりナーバスな表情なさっている方もおらず、基本的にはみなさんのんびりしたもんです。そりゃあ一部やってやるぜオーラを放っている方はいらっしゃいますけどね。みんな手慣れた様子でバイクのメンテ等をやっていて、バタバタした雰囲気を感じないのはさすがです。私も一通り準備をすませましたが、第6ウェーブのスタートは8:20。毎度のことながら、年齢のが上がれば上がるほど待ち時間が長いんですよ。4時メシではさすがに小腹が空いてきたので、前日買っておいたバナナをぱくつきながらフラフラ知り合いの所を回っていると、初トラ部の吉村さんにビデオで激写されてしまいました。あんまりレース直前にもの喰ってる人はいないんですかね〜。長丁場のレースだからなるべく腹にもの入れといた方がいい気がするんだけど。私はバナナを喰っとかないと元気が出ないんで、ODとかでも喰ってます。いいですよ、バナナ。
ちなみにここのバイクラックの脇にはドリンクの自動販売機もあるので、小銭さえどこかに入れておけば、バイクスタート前に景気づけにコークをあおることもできます。ま、やってる人は見ませんでしたけどね。
さて余談はさておき、いよいよレースのスタートです。前日は散々行列に並ばされて待たされたりしましたが、朝からの競技進行は実にスムース。相変わらずど派手な音楽をかき鳴らして開会式が行われ、和太鼓が打ち鳴らされて、俄然雰囲気が盛り上がってきます。昨日のオーストラリアの人もレスラーみたいな巨体をゆすってあらわれ、依然英語でなんかまくしたてています。相変わらず何言ってるかわかりませんが、多分頑張ってこいと言っているに間違いありません。彼のでっかい手とヒリヒリするハイタッチを交わしたあとにスタートラインの砂浜へ。さあもう後戻りはできません。スタートです!
スイムコースは出島の様な埋め立て地に作られたマリンパークと、知多半島の間にある内海で行われます。スタンディングスタートから1.9kmのコースで、湾内をぐるりと回る感じで競われます。といっても競うつもりは無いですけどね。スイム苦手なんで。嬉しい誤算なのは水のキレイさです。昨年や一昨年のレースのレポートを読むと、海の水は決して綺麗ではなく。透明度も殆ど無いという話でしたが。とりあえず腰までの深さで立っても足元はクッキリ見えます。ゴミも海草が手に引っかかったぐらいで、非常にグッドコンディションです。なにせ周囲にいる選手の姿が見えるので、スタートのバトルもある程度周囲を見て回避できるし、いきなり眼前に誰かの足がとんでくることもありません。もちろんそれでも多少は殴ったり殴られたり、蹴ったり蹴られたりしましたけどね。多少はです。
序盤はとにかく不用意に心拍数を上げたくなかったので、丁寧に腕をかくことだけに集中しました。水温は20℃ちょっとと冷たかったので、いきなりピッチを上げるとすぐに心拍があがっちゃいそうです。なんで、カメ作戦です。前回の横浜ではスタートで気張って暫く呼吸が苦しくなっちゃいましたからね。でも風が凪いだせいか波が静かだし、潮の流れも若干働いていたのか、思ったよりも早く最遠方のブイまで辿り着いちゃいました。時計を見る余裕もあるぐらいで、ここまで20分ちょい。スイムは50分台半ばを覚悟していたので、なかなか…というか、想像以上にいいペースです。ここはコースの形態上、マリンパークの堤防との距離を見ながら泳げばいいので、あまり蛇行しないですんだのも良かったのかもしれないですかね。実はあとで聞いたら皆さん想像以上にいいタイムが出ていたようで、コースが短いんじゃないかという話が出るぐらいでした。実際スントのデーターを見ると1870mと出てるんで、蛇行分を入れるとちょっと短めなのかもしれません。
後半も基本的には順調でした。途中でタイムを把握したのが良かったのかも。今のペースで泳げば恐らくタイムアップにはならないだろうことを確認できたので、余裕を持ってストロークすることが出来ました。キックも意識的に入れてタイムアップを目指そうとしたのですが、最後のブイを回ってからは外海に近づくからか、向かい波があってがくんとペースダウン。それでも43:35でスイムをアップする事が出来ました。ほぼ疲れも感じないし、望外の結果です。ゴールの砂浜を勢い駆け上がり、トランジットバッグをつかんで走り出したところで白戸太朗さんがお出迎え。一人一人に声をかけてくれるんで、これは元気が出ましたねー。
長いトランジットの途中でトイレもささっと済ませ、お次はバイクです。前年度から大きくリニューアルされ、知多半島を大きく縦断していくコースになります。距離は90kmで、獲得標高600mのふれこみですが、大きなピークを越えていくというわけではないようです。コースの断面図をさっと見た限りではどうやらギザギザと上り下りを繰り返す様子で、脚を削られないようにどうやってこなしていくかがポイントですね。
序盤はマリンパークから西知多産業道路を北北東に5km弱進んで、また戻ってくるのを2周回。途中橋や横道も入りますが、基本フラットでスピードに乗りやすいコースです。こういう所ではTTバイクが強いですねー。後発の第7ウェーブの選手達もバンバン横から抜いていきます。こちらは序盤からムリすることは出来ないので、ひたすら辛抱辛抱。この20kmがフラットだということは、その分アップダウンは後半に集中するってことですからね。
周回を終えた後は新舞子ファインブリッジを歩道で渡り、知多半島内のコースに入ります。ここからのコースどりはかなり複雑。最後の南知多道路をコースに入れるために、レイアウトにかなり無理をしなければならなかったとらしいです。とにかく細かいカーブや折り返しが多い多い。それゆえ、それぞれの曲がり角や折り返しに立っているオフィシャルの人の数が膨大な量になってます。みなさん選手が通る度に『スローダウン!』とか『◯カーブです!』とか声を張り上げてくれるので走ってる側は不安は少なかったのですが、1600人からの選手が通り過ぎるまで叫び続けてるのかと思うと、オフィシャルの人達の喉の方が心配になってきます。こちらもせめて、『ありがとうございまーす!』と声を返すようにつとめましたが、なにしろ凄い数。交差する道路を閉鎖してくれているお巡りさん達も一杯出てきてくれていて、参加する前は参加費が高めだなーと文句をタレたりしていましたが、なるほどこりゃコストがかかるわけです。給水ボトルも使い捨てのものがエイドに腐るほど用意してありましたしね。
内陸に入ってからは一般道もそうですが、途中普通の路地裏の道やら田んぼのあぜ道もバンバン通過していきます。ここら辺で嬉しいのは、徐々にギャラリーの皆さんが増えてきたということ。みなさん家の前に出てきて、選手に分け隔て無く応援の声をかけてくれています。私は応援されるのが大好きな褒められると伸びるタイプの子ですので、俄然モチベーションがあがっちゃいます。つどつど返事を返しながらゴキゲンでペダルを回し続けますが、あれぇ、なかなか上りがでてこない…。てことはそれだけさらに後半に集中するってことですよねー。そんなことを考え始めていたら、ようやく来ました!今回唯一仮装して応援に出てきてくれていたジャック・スパロウっぽい格好のおにーさんが手を振ってくれていたあたりからですかね?角を曲がった途端に、突然がっつりとした長い上り坂が我々をお出迎えです。『だが坂からは逃げられんぞ。おわかりか?w』船長がせせら笑う声が聞こえてきそうです。しかも中盤の坂は上っては折り返し、下ってはターン。もしくはその逆といったようなレイアウトが殆どで、下った勢いがそのまま上りに使えない場合が多いです。これはシンドイ!しかも進むにつれてだんだん坂の割合が増えていきます。マヂすか!
でもね、実はこんなこともあろうかと思ってこの4月から集中的にヒルクライム訓練を積んでいたんですよ。なんだかこれが功を奏したみたいで、同ペースぐらいで走ってる選手なら、上り坂にさしかかったところでぐいぐい抜いていくことができます。超速のTTバイクも上り坂では関係無し。そのかわり平地になると抜き返されますけどね。ここら辺でなんとなくポジションが固定してしまい、この後は坂では抜いて、平地では追い越されるを繰り返し、南知多道路まで似たような面子とバトルを繰り返すことになります。モチロン坂道もものともせずにぶっ飛ばしていくTTバイクもいましたけどね。
そして最後に控えるのは南知多道路。最後の14kmぐらいはこの高速道路が舞台になります。高速道路の片車線の通行止めにして使うという、今回のバイクコースの最大のウリです。説明会でも高速道路が走れるんですよ〜と楽しそうにアピールしていたんで、さぞや爽快なコースを楽しめるのかと思ったらさに非ず。走り出してすぐに判りました。爽快どころかドMです。
そもそも高速道路は自動車用に作られている道なんで、他の乗り物や人が走るようには出来てません。なのでアップダウンに緩急をつけて登る人に一息ついてもらおうとか、つづら折りにして傾斜を緩めてやろうなんて心遣いは一切無いわけです。そこを上りですよ。殆ど下りらしい下りもなく延々と上っていきます。斜度はそんなではないにしても、終盤にきてこれはキッツイ。しかもここにきて向かい風のおまけ付きです。最初こそいい気になって坂道が苦手そうなバイクを抜きまくっていましたが、どこまでも続く上り坂にさすがにペースダウン。その内左ひざになんだかイヤな痛みを感じ始める始末です。こりゃまずい!終盤はだましだましでなんとか走りきって、バイクゴールの内海高校へ。タイムは3:23:12。4時間たっぷりかけてもいいやと思っていたので、とても上出来です。でも左ひざが気になるなー。ちょっと上りで調子に乗りすぎちゃったかもしれません。
内海高校は生徒職員さん総出で今回のトライアスロンに協力してくれたんですが、ここの生徒さん達はホントに元気がいい。バイクを預けると叫ぶような声で『頑張ってくださいー!』という声がいっぱい飛んでくるし、コース脇も大声を張り上げて応援してくれる生徒で鈴なりです。これはもの凄く元気が出ました。周りのおじさん達もたっぷり元気をもらったみたいで、『ありがとー!』と返す声でいっぱいです^^
とにかく残るはランだけ。ここらでもう一回トイレに行こうと近くにいた係の男子高校生を呼び止めました。「すみません、トイレはどこでしょう?」そんな私の質問にも、高校生くんの返事は元気いっぱいです。「わかりました、トイレですね。ついてきてください!」言い終わるか終わらないかのうちに手招きしながらダッシュで走りだす高校生くん。しかもかなりの猛ダッシュです。陸上部か!?バイクでタレたおぢさんの脚ではついて行けるはずがありません。「ちょっと待って〜!」と思わず情けない声を上げてしまいました。いやいや、他のトライアスリートはこんなに情けなくないんですよ。私だけです><
そんなこんなでトイレをすませ、いよいよ最後のランに。長くなっちゃったんで次回に続きます。
Nice report! 凄い詳細で自分のレースが良く思い出せます!
投稿情報: Mark 721 | 2015/06/12 21:27
ありがとうございます!おかげさまで楽しい週末を過ごせました。またご一緒しましょう!
投稿情報: はむしん | 2015/06/13 15:01