とうとう初トライアスロンに挑戦するその日がやってきてしまいました。第4回館山わかしおトライアスロン、略してタテトラ。オリンピックディスタンスの51.5キロと、スプリント25.75キロのスイム/バイク/ランが沖ノ島/海上自衛隊館山航空基地の特設コースで競われます。。。といっても、私は競ったりするわけじゃないんですけどね。完走目標だし。
前日の説明会、ウエルカムパーティーから、2日がかりのイベントになります。館山が町をあげてバックアップしてくださっている感じで、たくさんのボランティアの方がそこかしこで働いてくださっていて、頭が下がります。私の泊まった民宿の「きらく」も、すべての宿泊者がトライアスロン参加者という状況で、共用冷蔵庫はスポーツドリンクだらけという有様ですわ。でもここのお宿は会場シャトルバスの停留所の真ん前だし、設備は清潔でメシも決して豪華ではないけどウマいです。タテトラ参加者にはなかなかオススメのお宿ですね。
参加者とオーガナイザーの熱気に圧されたのか、曇りの予報はスカッと晴れに変わり、気温28℃水温24℃と、ぶっちゃけ絶好のトライアスロン日和になってしまいました。
タテトラはバイクとランが自衛隊ヘリコプター基地の敷地内を使用するという性格上、事前にコースの試走が出来ません。なので1日の始まりはバイクコースの試走になります。これが7:30から8:30まで。お宿で朝メシ食べてからバイクの自走でかけつけたらギリギリの時間になってしまいました。滑り込みで試走できましたけど。朝メシは会場で食べるつもりで出かけた方がよさそうです。
会場は朝から人でいっぱいで、すでに熱気ムンムン。ていうか殆ど炎天下を、館山のゆるキャラ「ダッペエ」くんが元気にねり歩いていたのが印象的です。ずっと愛想を振りまいて歩いていましたが、ある意味トライアスロンより過酷なんじゃないかと思ったりして。
開会式後はすぐに第1ウェーブのスタートです。スタートは第6ウェーブまであって、スプリント男子の第5ウェーブは3時間以上も後の正午すぎ。この間に海を試泳したり、たくさん出ている露店を回ったり(自衛隊の露店なんてのもあります)、シマノの出張メカニックでバイクの調整をしてもらったり。。。しても時間が余るので、かき氷食って身体を休めながらレースを見物してました。さすがにオリンピックディスタンスに出る人たちはいい身体してる人たちが多い!じっと自分の腹を見ちゃいますね。あとはトランジションでは皆さん色々工夫しているのがみてとれて、参考になります。
そんなこんなをしているうちに、いよいよスタートの順番が回ってきました。第5ウェーブの赤いスイムキャップの皆さんがぞろりと波打ち際にスタンバイ。一斉に海に飛び込んでいきます。ここで問題なのは、一体どこらへんから泳ぎ始めるか?腰の深さ辺りで泳ぎ始めようとすると、まわりはまだ水の中を走っているのでどう考えても蹴っ飛ばされそうです。いや、実際に泳ぎ始めると、すぐに蹴っ飛ばされてしまいました。ウワサには聞いていたけど手は飛んでくるわ、身体はぶつかるわ、なんか投網の中でのたうっている魚の気分ですよ。とてもじゃないけど自分のペースで泳げる気がしません。がっぽり海水も飲んでしまって、まだ1/3もきてないのにリタイアしたら楽になるなーとか早くも弱気が頭をよぎる始末です。とはいえそれではあまりにもみっともないし、平泳ぎで泳いでればとりあえず溺れる事はなさそうなので、ここは格好をつけずに、疲れたら平泳ぎを挟んで、というより平泳ぎの間に元気が出たらクロールを挟むぐらいの割合で、ひたすら泳ぎつづけました。波はほとんどなかったんですけど、やっぱプールにはないうねりというのもかなりの強敵でした。結果としてスイムは21:43秒。遅い!
バイクは4周の周回コースになります。飛行場の一部を除いてコースはそんなに広くは無いですが、サーフェスはなかなかの状態で、スピードが乗りやすい良い路面です。最初こそスイムの疲れが残っていましたが、落ち着けば普通に30km/h以上のペースで走り続けることが可能でした。ここらへんはバイクの調整と練習の成果ですかね?たまにリレーの選手にもの凄いスピードで抜かれたりはしましたが、散々だったスイムに比べ、バイクでは追い越した数の方が抜かれた数より遥かに多かったです。身体もらくちん。気の毒だったのが道中パンクしていた選手で、リカバーにゆうに10分以上かかっている感じでした。パンクは頑張って整備してても運がありますからねー。これはもう神に祈るしかありません。私の方は最後まで走行は順調でしたが、トランジションには時間がかかってしまい、バイクのタイムは38分ほど。でもタイムリミットが1:45:00なので、これでほぼタイムアウトになることはなさそうです。
最後のランは、そんなわけで心理的にはとても楽な状態でスタートできました。もともと一番自信のある種目ですしね。ペースもキロ5:00で充分なので、エイドステーションはゆっくり水をとったり、頭から水をかけてもらったりしながら快適に走ることができました。最終的なタイムは1:28:10・・・なんですが、ここでアクシデント発生。なんと計測チップのついたアンクルバンドがいつの間にか脚から外れてしまっていたようです。おそらくウエットスーツを脱ぐ時に緩んでしまっていたのが、バイク中にふっとんでしまったものと思われます。なんで記録上、私の今回のタテトラはDQということになってしまいました。とはいえ今回のレースは、まず自分がトライアスロンを完走する事ができるか確認するためのもの。目的はしっかり果たしたので、この結果にはそれなりに満足です。少なくとも、次のレースには自信をもって臨む事ができますからね。
そんなドタバタのうちに私の初トライアスロンは終了してしまったわけですが、実はこの日最大のサプライズは、レース後、露店の出張マッサージ屋さんで 、ベッドにうつぶせになりながら表彰式から流れてくるアナウンスを聞いている時に起こりました。各種目の1・2・3位、年代別の最優秀選手を次々と表彰していっていたわけですが、そのうちこんなアナウンスが
70歳代男子、優勝◯◯◯◯さん、タイム2:40:03
へっ!?ななじゅうだい男子ですと?これはオリンピックディスタンスのタイムですから、スプリントの倍の距離を戦ったタイムです。私のタイムを単純に倍にしたとしても、余裕でぶっちぎられちゃってます。なんと70歳代の方にですよ!すげえ!これはカッコいいっ!人間ってスゴいなぁ。20数年後の私に到底同じタイムが出せるとは思いませんが、是非とも目標にしたいです。いつかカッコいい爺ちゃんになりたい!私はとりあえず水泳を鍛え直さなくてはダメですね。持久力と、なにより海で泳ぐスキルを身につけなくては。その上で、まずはオリンピックディスタンスに出られるようにならないと、カッコいい爺ちゃんになるためのスタート台にすら立てません。もちろんそれは来年のタテトラで達成する方向で、頑張っていきたいと思います。