佐渡のタイムオーバーから半年、今度こそロングディスタンスを!の想いのもと、宮古島トライアスロンに挑戦してきました。
4月の宮古島は思ったより暑い!バイクの梱包を解いてるだけでも、ポタポタと汗がマンガみたいにしたたり落ちてきます。日焼け止めをたっぷり塗り込んで、愛車バイクの試走に伊良部島に向かいました。この伊良部島に渡る伊良部大橋というのが宮古島トライアスロンの名物のひとつで、横風が強烈で吹っ飛ばされる、おしっこちびるという噂でしたが、この日は大した風もなくて単なる絶景の橋(°▽°)
知らない人と記念写真をパチパチとったりとられたりしながら、島の向こう側でかき氷と鳥の天ぷらとかを食べつつ(コース上にあるなかゆくい商店は、後日食ったさたぱんびんアイスが絶品でした、行ったら是非寄ってみてね)、ぐるりと島を堪能してまいりました。いやはや海がきれい!この後パイナガマビーチで泳いでもみましたが、エメラルドグリーンのプールみたいで、視界は最高!これはレースが楽しみ!!ワイドーパーティーも大盛り上がりで、オリオンビールの空き缶がものすごい勢いで生産されて行く様はまさに壮観でした。一同に集まったこの1550人が、明後日のレースを走る戦友であり、ライバルです。どいつもこいつも逞しそうですわ(^o^)
翌日は雨交じりの空模様。同じ初トラの部のマスター(長岡さん)のレンタカーに同乗して、バイクコースを試走してみました。この日は打って変わって強風。橋に差し掛かれば本当に吹っ飛ばされそうな強風が吹き荒れています。海も若干荒れ模様。明日の、特にスイムの開催が心配されます。
でも会場の前浜ビーチは東急ホテルのプライベートビーチになっているのか、非常にきれいな海岸で、試泳してみたら砂浜なのに魚がウヨウヨいました。しかもちっとも逃げない。さすがに明日は逃げちゃうでしょうが、是非とも競技以外でも行ってみたいビーチですねー。
夜はうさぎやという歌謡居酒屋さんでカーボローディング。これはちょっと食い過ぎたかな( ´△`)
さて前置きが長くなりましたが、いよいよレース当日。朝5時に会場入りすると、風は微風ですがバイクラックのあたりはまだ真っ暗。ゲートや受付のところだけ煌々と明かりがついています。ライトをずっと口にくわえて作業している人もいましたが、ここで夜釣り用の頭につけるライトをスイッチオン!誰かに聞いたんですが、めっちゃ便利です。
バイクの準備やお約束のトイレ行列に並んでいるうちに、今日の3種目が無事開催されるとのアナウンスがあり、会場中から歓声が沸き上がりました(°▽°)
スイムの3kmは砂浜から一斉スタート。沖の2つのマークを回る歪なひし形のコースです(最後の一辺はありませんが)。速い奴は前に、遅い奴は後ろに並べ方式。もちろん泳力のない私は後ろから行きます。
外人さんぽいDJのアナウンスがスタートまであと1分とコールすると、もうまわりはすっかり戦闘モード。でもなぜだかその30秒後には先頭の方からプワーとホーンみたいのが鳴り響き、なし崩しにスタートになってしまいました。おいおい時間合わせぐらいしとけや( ´△`)
さてスイムコースは端から端までだだっ広いんですが、なにせ1500人以上が一斉スタートしたので大バトル。かなり外側の後ろからスタートしたのに、みんな目指すところは一緒なので、徐々に内側に絞り込まれて行ってしまって贖えません。誰かが『宮古島に出るような人たちはわきまえてるから、バトルなんてほんの最初だけであとは全然ないよー』なんて言ってたんですが、嘘こけ、誰もわきまえてないじゃねーか( ;∀;)
最初のコーナーを回ってもポカポカガシガシ。隊列も縦に伸びてきたんだからそろそろ収まっても良さそうなものなんですが、さっきよりコースが空いてきているハズなのに、ぶつかってくるやつが後を絶ちません。そうか!やたら水が綺麗で周りが見えるもんだから、みんなフロートとか確認しないで他の人を目標にして追っかけてる=追いついてはぶつかって乗り上げてくる…が、そこら中で繰り広げられてられているからこの状況なのね。スイム遅い自分には避ける方法ないじゃん( ´△`)
ふたつめのターンマークを曲がると、のこりは700m。しかもストロングマンテキストによれば海流に乗ることができるので、ここまでくればあとは楽勝〜なハズなのに、おや、なんだか前に進まないぞ?こりゃ明らかに説明と海流の向きが違う。でもまぁ多少スイムアップが遅くなるだけだし、さすがにバトルも治まってきたしで、ノンビリ海底でも眺めながらひたすら腕を回してたら、なんとか1時間16分でスイムアップできました。予定より4分早いから全く問題なし。制限時間がなければもっと泳いでいたかったなー。空飛んでるみたいでしたよ(°▽°)
シャワーを浴び終わると、どこかから『バナナー!バナナー!!』と叫ぶイブさんの声が。イブさんは今回初トラ部のみんなの応援のために、わざわざ宮古までやってきてくれたのです。ありがたや。でもその掛け声だとオレはわかっても周りの人は???ダヨw
トランジットバッグを受け取ったらお着替えテントへ。野外でフル◯ンになったら失格ですからね。中に入るとそこにいたのは初トラ部の総監督、吉岡さんとまるちゃん。実は吉岡さんとはスイムアップでいつも顔を合わせる間柄。今回コーチについてかなり練習してたみたいだから追いていかれちゃうかと思ったけど、ウチのジムのコーチさんたちも頑張ってくれたようで。この間柄はまだまだ続きそうです(^。^)
でも大失敗だったのがカフサポーターをここで履こうとしたこと。湿った肌にきつめのコンプレッションサポーターは全然入ってくれません。さりとて脛には日焼け止めを塗っていないから、履かないで先に進んだ日にゃあ強力な紫外線に大やけどは必至。ジタバタもがいている間に吉岡さんもまるちゃんもさっさとテントの外へ行っちゃって、でも自分はまだカフサポーターが片っぽしか履けてないなんて有様。カフサポーターはスイムの時からつけてた方がいいですね、絶対に(´д`)
トランジット1にたっぷり20分もかかって、ようやく157kmのバイクへ。今回バナーナ号には平尾師匠から買ったディープリムのMAVIC Cosmic Carbon SLRを装着。これを軽ギアでとにかくクルクル回して、脚の疲労を可能な限り抑えていくのが今回の作戦です。なんで伊良部大橋の横っ風は非常に心配していたんだけど、風は穏やかなままなんで順調順調。序盤は『コバヤシサァ〜ン♪』と近づいてきたまるちゃんと抜いたり抜かれたりしながらランデヴー。第2の小島、池間島も通過。でもこのあたりから急激に腰の痛みが我慢できなくなってきました。DHバーのポジションだしを今ひとつちゃんとやっていなかったのが、ここにきて災いしちゃったようです。ブランケットポジションがやたら多くなってきて、徐々にペースダウン。エイドでストップしてたら、まるちゃんにも大きくおいていかれちゃった( ´△`)
この先はひたすら我慢の走り。上り坂になったらダンシングで腰を伸ばせるから心地いいや…などというワケのわからない有様。おまけにエイドまで辿り着いてもコーラもアクエリアスも品切れで水しか無い…なんて状況がしばらく続き、沿道からの陽気な応援と雄大な景色だけが慰めでした。
それでもなんとか終盤まで辿り着くと、残り10キロを切ったあたりで見たことのあるジャージが目に飛び込んできました。ありゃ、アレはマスターじゃん。どういうわけだかバイクを押して道路の端っこを走っているので、よく見てみたら、なんだか後ろのディレイラー(変速機)が不自然な形でチェーンにぶら下がっています。根元から折れちゃったんでしょう。『バイク壊れちゃいました〜』と、マスター。でも諦めないで押して先に進むつもりみたい。頑張れマスター。でも10キロはキツイよなぁ…(後で聞くと残り17キロ地点から押していたそうです)。
そんなこんなで5時間50分かけてようやくバイクフィニッシュ。とりあえずは腰をストレッチして、ランウエアに着替え、あとトイレを済ませよう…とおもったら、今度はトイレが渋滞。やっぱトランジションのトイレはアテにしてはいけません。トランジション2は19分。相変わらずタイムロスが多いなー。今後の課題です。
そして最後は42.195キロのラン。ポケットにいっぱい詰め込んだ補給食がゆっさゆっさして不快だったけれど、脚の方はすこぶるいい感じで痛みもありません。気がついたらキロ4分台で走っていたので慌ててペースダウンしたぐらい。佐渡では大好きなこのランでブレーキしたので、ここは慎重に。キロ5分半ぐらいのラップを心がけながらステップを刻み続けました。今度はエイドのドリンクや食料が品切れていることもないんで、コーラも飲み放題。おにぎりもいただいたりしながら先を急いだんですが、ちょっと調子にのって飲み食いし過ぎちゃったようです。トライアスロンのランパートのエイドは非常に豊富で、実際2.5キロにいっこぐらいの割合で用意されています。マラソン大会だとその半分以下なのに、出てくるエイド出てくるエイドで飲み食いをしていると、ぶっちゃけ過剰摂取になっちゃうんですよね。気がつくと胃袋がたっぷんたっぷん音をたてているような状態。7キロ地点あたりでイブさんたちが待っていてくれて、キンキンに冷えたOS-1を用意してくれていたんだけど、なんちゅうこっちゃ、おいしいのに全然喉に入っていかない。『ゴメン全部のめないぃ』と、少し飲んだだけで突っ返してしまいました。せっかく用意してくれていたのに申し訳ない。後で聞いたらチューパットも用意してくれていたそうで、ああ、チューパットは欲しかったなぁ。エアサロンパスも特にかけてもらうような所が見当たらず、ホント、サポートしがいのないヤツでスミマセン(´д`)
足腰は本当に順調、走り込みの成果が出ていていい感じなんだけど、水ぶくれた胃袋は困ったもんで、折り返しに向けてだんだん気分が悪くなってくる始末。暫くはエイドも水を口に含むだけにしてみたのだけど、一向に改善しません。げっぷもいっぱい出てくるのはコーラの飲みすぎかなぁ。
それでも折り返しを前にして次々とやってくる初トラ部のランナーたちとすれ違うと、元気が沸き上がってきます。そんなに離されてないし、よし頑張ろうと折り返したあたりでちょうど2時間ぐらい。総合タイムも10時間を切ってる。足腰も全然問題は無いので、着実にいけばまず完走は間違いなし。ペースアップは、うーん、なんかこれ以上ペースを上げると、どこまで気持ち悪くなっちゃうか分からない。むしろペースダウンして胃を落ちつけないとダメなんじゃない?…などと守りに入ると、脚も自然と重くなっちゃいますね。でも去年の佐渡の二の舞は絶対に避けねばなければ、ここまで何をしにきたのか分からない。前を追っかけるのはやめて、ペースダウンを選択しました。オシッコも近くなっちゃって、トイレを見つけたらつどつど飛び込んでしまうような状態だったんで、まあ間違ってはいなかったんでしょう。
それでも着実に残り距離は少なくなっていきます。トラブルや不調でスピードダウンした仲間に声をかけながら淡々と走っていると、おや、前方からマスターの姿が!どうやらあのままバイクをゴールし、ここまで追いついてきたようです。あの状況から完走も決して無理ではないポジションまで巻き返してくるなんて、こりゃすごい!こんなミラクルを見せられると、こちらも頑張らないわけにはいきませんᕦ(ò_óˇ)ᕤ
残り5キロ切ってくると、見慣れた市街地の景色が飛び込んできます。それにしても応援の尽きない大会だったなぁ。ランコースはどこを走っていても『ワイドー、ワイドー』と、途切れのない応援の声が投げかけられてきます。子どもからお年寄りまで、街中の人達が陽気に投げかけてくれる応援に、こちらも『ありがとう!』と、できる限り言葉を返しました。
そして残り1キロ。ゴール会場の喧噪やアナウンスが耳に飛び込んできます。佐渡ではここまでこれなかった。ここまでこれるために精一杯練習した。もうここからは思いっきり走っていいかなぁ…。そう思ったら、ゴール際ダッシュをしてました。
ゴールラインを越えたら安心のせいか腰が抜けてその場にへたりこんでしまいましたが、気がついたらそのまま叫んでいました。やったー!!って。
その後はだれかれ構わず抱きつきたい気持ちになって、先にゴールしていた仲間たちを見つけては次々に飛びついていましたが(女性陣には精一杯の自制心をもって自粛しましたよ)、誰かに「小林さん、涙出てますよ』て言われて、はじめて自分がポロポロ涙している事に気づきました。いやー、いい歳こいて泣いちゃいましたよ。まあでも、今日ぐらいはイイでしょ。
そしてとうとうマスターが制限時間間際にゴール!レース終了を告げる花火が宮古島の空に打ち上がりました。
総合タイムは12時間23分17秒。ようやくロングディスタンスを完走することが出来ました。五年前にスプリントでヒイヒイ言っていた頃には宮古島なんて想像もしていなかったんですが、家族にサポートしてもらって、仲間とワイワイ頑張ってきたら、いつの間にかこんな所にたてるようになっていました。自分もちょっとは強くなれたんですねぇ。
次は9月。灼熱の佐渡に去年の借りを返しに行かねばなりません。ストロングマンのフィニッシャーとして、胸を張って挑みにいきたいと思います。もちろん、しっかりと練習を積んで。
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