エイドでコーラを飲めるトライアスロン大会があると聞きつけたのが、佐渡の大会に出るキッカケでした。私は雛に希なるコーラ好きなのを自負しています。もちろん並みコークとZeroを利きわけられないような腑抜けではなく、コカとペプシの区別もパーフェクトにつけられるのは言うまでもありません。てかね、Zeroとコークの区別がつかないって、あり得ないっしょ>◯井くん
まあそんなコークの飲めるトライアスロン大会である佐渡国際トライアスロン大会は、今回で27回目という歴史の古い大会になります。で、距離はロングとミドルしかありません(しかもどちらもバイクがちょっと長め)。つまりコークを飲むにはそれなりに長い距離を泳いだり漕いだり走ったりしないとならんということです。いいですよ、走りましょうとも!もちろんミドルだけどね!
と、参加者の中ではあまり他に見られない動機とモチベーションで佐渡Bへの参加を決めたワタクシですが、調べてみると佐渡はなかなかにアクセスが難しい。大会HPからだとJTB佐渡支店を使ってよ!という風に書いてあるんですが、インターネット上に予約サイトがあるわけでなく、FAXで船の希望と宿の希望を第3希望まで送ってくれやというアナログさ。島に行くのは二十年ぶりぐらいですが、なんだかとっても不安感バリバリです。宿の希望っていったって佐渡の地理なんか不案内だからどれを選ぶと便利なのかも分からず、仕方がないので宿はお値段からピックアップしました。しかも土日の2泊分です。
というのは、佐渡と本土を結ぶのは一般的には佐渡汽船のカーフェリーとジェットフォイルしか存在しません。佐渡空港もあるにはあるんですが、定期路線は去年より運休という状況で、佐渡トライアスロンに参加するにはこの佐渡汽船を中心に全てを考えなければならなくなります。例えば日曜日の本戦は、その日のうちに帰ろうと思ったら17時半ぐらいのジェットフォイルか、19時半ぐらいに出港するカーフェリーに間に合わせないといけません。撤収時間とフェリー乗り場まで島を横切っていくバスの時間を考えると、ミドルの人でもかなりの強行軍になります。なにかアクシデントがあったらもうアウトですね。ロングの人にいたっては、トップクラスの人でもないと、殆ど無理ゲーです。しかもフェリーの最終便なんか新潟到着は22時ですから、その日のうちに帰れるかというと、そこそこ語弊があるような気がします。となると、かなりの自信がある人以外は日曜日の宿を予約せざるを得ないと。まあそんな感じになりますね。
あと、島でのクルマに関してです。島に渡ってからクルマがあるとなにかと便利ですから、本来ならカーフェリーにマイカーを積んでいきたいところなんですが、フェリーの車輌運賃が結構するんですよ。大抵の小型車が含まれるだろう全長3〜4メートルのカテゴリでは、32,540円(ドライバー1名の乗船料を含む)と、かなり高額です。これだと正直現地でレンタカーを借りた方が割安になってしまうんで(新潟港の駐車料金は1日800円)、バイクを数台積めるクルマで数人の方で料金をシェアできる環境じゃないと、マイカーで入島は現実的ではないかもしれませんねー。もちろん一番リーズナブルなのは大会の方で用意される1500円で乗り放題のアストロマンバス(前売りだと1000円!)を利用することですが、後述しますけど、状況によってはかなり不自由することになります。
それから最後に宿です。島内の交通は正直な話、フェリーの着く両津と大会会場のある佐和田の島中央部を結ぶ路線以外はかなりに貧弱です。なんで、クルマを用意できない場合は競争率が高くても、なんとか佐和田地区か両津地区の宿をキープしないと、動くのに非常に苦労することになります。この路線の貧弱さは、アストロマンバスにしても同様です。
さて、アクセスと宿の情報はここまで。来年度参戦したい方々の参考になれば幸いです。
そんなわけで土曜日の昼前、私は輪行袋を担いで、新潟港からジェットフォイルに乗船しました。昔で言うところの水中翼船というヤツで、水の抵抗を減らし高速で航行するために、船底につけられた水中翼で船体を水上に浮かせてしまうという海の飛行機ですね。ちなみに佐渡汽船で使われている船体は、ジャンボ機を作っているのと同じボーイング社製です。運行時速は実に80km/h。フェリーだと2時間半かかる行程を僅か1時間5分で駆け抜けちゃうんで、せっかちさんには断然のオススメです。とはいえ旅客運賃もフェリーの2等料金の三倍ですけどね。
のんびり構えてたら結局乗船するのが出港の5分前になってしまいましたが、さすがに27回も佐渡トライアスロンをサポートし、他にも数々のスポーツイベント(佐渡トキマラソン、佐渡ロングライド210、佐渡トキツーデーウォーク等)の参加者を運びまくっている佐渡汽船さん。輪行袋の扱いも手慣れたもんです。キャビン前方の座席を潰したバイク積載場所にひょひょいとこちらの渡したバイクをセットして、あとは身体一つでシートに移動という手筈です。但し、ジェットフォイルはフェリーみたいにその後船内をウロウロというワケにはいきません。完全指定席で、乗船中は基本シートベルト着用と、このあたりも殆ど飛行機と同じ。そしてなにより岸を離れて暫くすると、浮上前に「本船はこれより、テイクオフします!」というアナウンスが流れます。カッコイイ!乗り心地も飛行機によく似てますね。そんなに波の揺れは感じないし、回頭するときも軽くバンクして曲がっていきます。風景もビュンビュン流れていって気持ちいいんですが、そこらへんは窓際の席じゃないとあまり堪能できません。残念ながら。
両津港で初めてのトライアスロン部の望月さん、石井さん、加藤さんたちと合流。この4人は全員B(ミドル)に参戦するメンバーです。中でも石井さんは5月にアクシデントで鎖骨を折って、一度は参加を断念しながら、わずか3ヶ月ちょっとで回復してレースに間に合わせちゃったというツワモノです。あだ名は機関車トーマスさん。いわずもがなの自転車乗りさんですね。
両津港からは大会側で用意しているアストロマンバスで、大会説明会会場のある佐和田のアミューズメント佐渡に直行です。説明会は金曜土曜と夕方に1回ずつしか開催されないので、かなりの数の選手が集まってきています。なにせ選手総数は1,793人、実は99Tができる前は日本最大のトライアスロン大会だったんです。受付をすませると、配布物の中に現地の小学生が書いてくれた選手へのメッセージが混じってました。こういうのは初めてですが、読むと元気が出ますねー。
説明会場から競技会場までは1キロほど、前日預けできるので、もうかなりバイクが並んでます。やっぱロング&ミドルなのでTT比率がたかいです。下はマットやアスファルトで砂がつかないのはありがたい。参加台数の割には四角くコンパクトにトランジットが作られていて、しかもそれぞれにプラスチックの大きなバケットが置かれています。荷物はこの中にってコトですね。選手の動線もよく考えられていて、だらだら歩き回らされるようなことはありません。ここらへんはさすがに27回の歴史を誇る大会。こなれているって感じです。
あと、肝心の海です。佐渡のトライアスロンはクラゲが怖いという話は前から聞いていたのですが、年によってクラゲの発生状況が大きく変わるらしいです。殆ど見かけない年もあれば、かき分けながら進まないといけない年もあるということで、まさに運次第。今年はどっちだってトコですね。岸辺から見るぶんには、水はなかなかにクリアー。んで見渡す限りにふよふよ浮いているのはいません。もっともこんな浅瀬に奴らがやってきているようなら、明日はかき分け必至になってしまうわけですが…。とりあえずクラゲよけサンオイルは持ってきたんで、後は野となれ山となれですわ。
スイムは真野湾内を三角形に泳ぐコースを、ミドルは1周、ロングは2周。今年は潮流の関係か、ずいぶん鋭角的な三角形になっています。もう既にブイは設置されていますが、すーごく沖に設置されてます。岸から900mぐらいあるのかな?そこから100メーターぐらい横に泳いで、また戻ってくるようなコースどりです。ロング・ミドルそれぞれ一斉スタートとのことですが、はたしてどんなレースになるのやら…。まあかなりハードなことになりそうなのだけは想像できました^^;
他に気づいたのは、そこら辺をウロウロしている参加者は見事に細マッチョの人達が目立つということです。ていうか、ODなんかの大会と違って、さすがに私のようなゆるめの体型の人はあまり見かけません。ロングディスタンスの選手たちと混じって競技するのは初めてですが、さすがにぬるい体型だとここらへんの距離はキツイということでしょうかね。するってーといずれはロングを目指している自分としては、いつかは減量と戦わねばならないのでしょうか。ちと憂鬱になちゃわずにはいられません。
それにしても、天気はいいのに気候はホントに涼しいです。ひと月前には9月の頭に開催されるトライアスロンなんて灼熱地獄に違いないと思っていたのに。そのために熱に耐える練習もやったりしたのに。予想に反して明日の天気予報は曇りで、最高気温は25℃程度。いや、実際涼しい方が助かるんですけどね。けど若干肩透かし感があるのは否めません。『どーせならヒーヒー苦しみたかったなー』なんてこの時は笑っていたワケですが、果たして翌日にはそのことを別の意味で大きく後悔することになろうとは、この時は想像だにすることはできませんでした。
果たして翌日、私は佐渡は甘くないってことを、嫌というほど思い知ることになったのです。つづく。
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