今回はランニングシューズのインプレッションです。初心者の方には何言ってるかよく判らない状況(富澤たけし風に)になってしまうので、とばしちゃってください。
私は2年ぐらい前から、ヒールストライクの走り方だと、こりゃかかとや膝が保たないなということで、走法をフォアフット気味に切りかえています。いやこれ単に上級者の走り方なのかと思ったら、体重のある人や年配者には非常に身体にやさしい走り方なんですわ。まあそこらへんの話は後ほど別の機会にいたしますけど、そんなわけでシューズも最近はそれ用のものばかりです。
最初はNewtonのISAACから入ってDISTANCE、その後NewBalanceのMINIMUSがいいじゃんということで、MR10、MR00と流れていきます。でもレースだとMINIMUSだとちょっとしんどいかなということで、RC130や、BROOKSのPURE CONNECTなんかに手を出してきました。まあトレーニング用のMINIMUSは非常に気に入っているんですが、レース用のシューズは今ひとつ気に入ったのがないというのが現状。そこで今回青梅マラソンに備えて導入されたのが、PURE PROJECTの最新作、PURE DRIFTです。
フォアやミッドフット用の靴と言っても色々なのがあって、ミッド部分のソールに出っ張りを作ってそこに先に着地をさせちゃおうというのがNewtonのシューズですね。無理矢理走り方を矯正されてしまうので、ミッドフット入門者には悪くないかもしれません。でも慣れてくるとその出っ張りが異物感に変わってきて、逆に足裏を痛めつけてくるように感じたので、別のシューズに移行しました。
それがいわゆる裸足感覚シューズというヤツです。Vibram FivefingerやMERRELLのGLOVE、それからBROOKSのMINIMUSあたりがそうですね。とにかくソールは柔らかく薄く、なるべく裸足の感覚に近く作られたシュ=ズで、これで走るとかかと着地なんかやってたら痛くて走れません。なんでフォアやミッドの走り方で鍛えられるというシューズたちです。使ってみると非常によいものなんですが、なにせ反発力やクッションが考えられていないので、ロードの長距離でスピード出してやろうなんて考えると、若干方向性が違うので困ってしまうわけです。裸足過ぎちゃうわけですね。
それではどんなレースシューズを選べばいいのか???ということになってしまうわけですよ。同じNewBalanceのRC130は、かかとに余計なクッションをもたない、エキスパート用の超軽量シューズです(130g)。その意味では裸足感覚に近いんですが、なにせ後述のとおり幅が狭い。裸足感覚になれてしまった足には若干窮屈なのは否めません。また、反発力はあるものの、クッションは最小です。ぶっちゃけ足筋が充分に育ってないと、長距離はキツイかもしれません。10kmそこらのレースなら喜んで履きますが、それ以上のレースに使うには不安が残ります。
そこで去年買ったのがBROOKSのPURE CONNECT。靴底拇指球部に充分なクッションをもたせ、さらにつま先とかかと部分を若干絞り込むことにより、なんとなくミッドフットを実現してしまうという。いわばNewtonとベアフット感覚シューズの中間にあたるシューズですね。確かにクッションは充分ですが、やはり緩いアーチ状になったソールのせいで、自分の思ったような走りよりは、シューズに走りを矯正されてしまう感覚に近い、いわばNewton寄りのシューズだと思います。確かにクッションはいいんだけど、足裏の自由が効かない。幅も若干狭めの足型。クッションがいいのに、なんとなく足裏が心地よくないような、痛くなっちゃうような、なんだか残念めなシューズだと思います。
さてそんなPURE CONNECTを作ったBROOKSが作った新作なんて期待できないだろうに、なんでそいつを買っちゃったのよ?と問われると、それには明確な理由があるんです。それは靴底を見れば一目瞭然。
BROOKSもPURE CONNECTを作った後で、こりゃ中途半端だとか反省しちゃったのかもしれません。もしくはユーザーの声が届いたんでしょうか。今度は大きくベアフッド派の方に舵をきった靴を作ってきたようです。同じシリーズだというのにがらりと変わったこの足型を見てください。手のひら返しにもほどがあります。でも実はこの前足部分の幅広さが、足裏に大きな自由度を生むんです。並べてみてみれば、MINIMUSの方に大きく歩み寄ってきたのが一目瞭然ですね。
カタログでもよりワイルドに裸足感覚で走れるようなことが書いてあります。まあMINIMUSあたりから見れば全然クッションが多くてさほどワイルドにみえないんですが、どうなんでしょう?
履いて走ってみた感じでは、悪くないです。そこそこクッションがあるわりに、靴底を縦に三分割するカットやゴムの材質(どうやら黒い部分は多少硬いようです)などのおかげなのか、ロードインフォメーションもしっかり伝わってきます。なにより前足部分の横のゆとりが大きいので、べたぁと足裏で地面をとらえることができます。着地衝撃を緩和するためには、これ非常に重要なんです。
とはいえアッパーの部分はMR00の厚手の靴下のようなユルさはなく。そこそこカッチリと作られていて、若干MINIMUSよりも足首の自由度が狭められているかなぁという感じではあります。ミッドやフォアで走るにはある程度身体の前傾を保つことが必要になってくるので、足首のフレックスは確保されていればいるほどよいです。でもあんまり自由にさせ過ぎちゃうと、MR00のようにゆるゆるになってしまって、長距離に不安を感じる作りになってしまうんですけどね。まあMR00もハーフぐらいだったら走りますけど。
そんなわけで、軽量でまあまあクッションもある。反発力も無いわけじゃなく、足裏もほどよく自由。BROOKSとしてはかなりソリッドなモデルを作ったつもりでしょうが、MINIMUS履きからみれば程よいマイルドさを感じる、そこそこワイルドなシューズという位置づけが見えてきます。ひょっとしたらベアフッド派の人がレースに履くにはちょうどいいかもしれません。とりあえず青梅のパートナーをつとめてもらおうと思います。
面白いのがインソールが入っていて、そのまま走ると足先とかかとのドロップ差が4mm、インソールとっちゃうと0mmドロップになってしうという、妙なギミックがついていること。抜いちゃうとよりワイルドに走れます。
あとPURE DRIFTの軽量さをアピールするムービーがあるんですが、うーむ、これではむしろネガティブキャンペーンのような気が。。。おおよそ軽そうには見えないよ、コレ。160g切っててホントに軽いんだけどね。
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